車両保険はいつ外す?外していい人・残すべき人の判断基準と、株主優待で自動車保険は安くなるか【2026年】

車両保険はいつ外す?外していい人・残すべき人の判断基準と、株主優待で自動車保険は安くなるか【2026年】

目次

 新車を買ったときは、車両保険をつけるのが一般的です。迷い始めるのは、数年たって、更新のたびに保険料を見るようになってからではないでしょうか。「この車に、まだ車両保険はいるのかな」と思ったことがある人は多いはずです。

 この記事では、車両保険を外していいかどうかを、年数ではなく「自分の数字」で判断する方法をまとめます。あわせて、株主優待で自動車保険が安くなる方法があるのかも調べました。

結論|外していい人・残したい人

 車両保険は、自分の車の修理代や買い替え代に備える保険です。つけなくても、事故の相手への賠償(対人・対物)には影響しません。法律上の義務でもないので、保険に任せるか、自分で持つかの選択になります。次の5つの質問で、自分の方向を確かめてみてください。

質問 外すことを検討 継続を検討
車のローンは残っている? 完済している 残っている
全損したとき、自己資金で買い替えられる? 買い替えられる 難しい
今の車両保険金額は? 低い(貯金で払える額に近い) 高い
年間の車両保険料は? 保険金額に比べて重い 保険金額に比べて小さい
修理費を自己負担するのが不安? 不安は小さい 不安が大きい

 外す側が多ければ「外すことを検討」、継続側が多ければ「継続を検討」です。順番に確認するなら、次の流れが目安になります。

車両保険を外すか迷ったときの判断の流れ。ローンが残っていれば継続を検討、全損時に貯金で買い替えられなければ継続を検討、年間の差額に比べて保険金額が低ければ外すことを検討、そうでなければ免責金額や補償範囲を見直す
特に影響の大きい3つの質問を順に確認する目安。これだけで決めず、見積りの数字も確認してください

 この流れだけで決めず、自分の見積りの数字で確かめてください。

みんなは、車両保険をどうしている?

 損害保険料率算出機構の統計では、2024年度の任意自動車保険の契約(約6,663万台)のうち、車両保険が付いた契約は約4,064万台でした。割合にすると約61%です(契約台数ベースで、この記事のために計算した数字です)。2026年7月に全国の自動車保有者400人に行ったアンケートでも、任意保険に入っている人の66.1%が車両保険を付けていました。つまり、付けている人が6割台と、多数派です。

 付けていない人の理由は、次のとおりです。

車両保険を付けていない理由。保険料が高い82.9%、車が古い・年式が経っている27.9%、必要性を感じない21.7%、免責金額や条件が合わなかった3.1%、補償内容がよくわからない2.3%
出典:NEXER Group・富士屋硝子店の調査(2026年7月、全国の自動車保有者400人)。任意保険加入者のうち車両保険を付けていない人の複数回答

 最多は「保険料が高い」で、「車が古い」が続きます。ただし、これは「最初から付けなかった人」と「外した人」を区別していない、小規模なアンケートです。車の古さ別に車両保険の付帯率を示した全国データは、今回は見つかりませんでした。

車両保険を外すかどうかを判断する3つのポイント

ポイント1:車の価値と、車両保険金額

 車両保険の保険金額は、購入価格ではなく契約時に協定した車の価値(市場販売価格相当額)が基準です(日本損害保険協会)。全損なら協定した金額、部分的な損害なら「修理費-免責金額(自己負担額)」が支払われます。修理費が保険金額以上になると全損扱いになり、修理費ではなく保険金額までしか出ません(SOMPOダイレクトの説明)。車が古くなるほど、この上限は下がります。

 新車〜数年は、価値が高く、ローンも残りがちなので、継続する理由が大きい時期です。新車なら、車両新価特約(新車価格相当額を限度に補償する特約)も選べます。条件は会社ごとに違い、SOMPOダイレクトは初度登録の翌月から25か月以内、損保ジャパンは車両保険金額が新車価格相当額の50%以上などです。

 「何年たったら外す」という決まりはありません。目安として、チューリッヒの解説では、購入から10年前後になると補償の上限(保険金額)が下がるため、見直しの時期としています。また、ガソリン車は初度登録から13年を超えると自動車税が約15%重くなります(ハイブリッド車や電気自動車は対象外)。乗り続けるか乗り換えるかを考えるタイミングです。ただし、どれも年数だけで決める根拠にはなりません。次の2つの数字と合わせて判断してください。

ポイント2:年間保険料と、節約できる金額

 車両保険の保険料は、見積りで車両保険の「あり」と「なし」の両方を出してもらうと、差額が分かります。この差額が、外したときの年間の節約額です。

 損保ジャパンの試算(車の価値を265万円として、全損時に受け取れる上限も265万円にした契約。事故のときの自己負担は5万〜10万円)では、月額の差は20代で9,480円(年113,760円)、30代で3,416円(年40,992円)でした。年齢や車種、等級で変わるので、自分の見積りで確かめてください。

ポイント3:事故時の修理費や買い替え費用を、自己負担できるか

 車両保険を外すと、次のものが全額自己負担になります。

  • 自分の過失による事故での、自分の車の修理代
  • 盗難や台風、飛び石など、車両保険がないと補償されない損害
  • 全損したときの、買い替え費用(ローンが残っていれば、返済も続く)

 外しても、相手への賠償(対人・対物)や、自分のけが(人身傷害など)の補償は、そのまま残ります。つまり、外して困るのは「自分の車の損害」の部分だけです。貯金で払えるか、ローンの残りが家計を圧迫しないかを、ここで確かめます。

 損害の大きさの目安として、2024年度に車両保険の保険金が支払われたのは約226万件で、1件あたりの平均は約41万円でした(免責金額を引いた後の保険金。付帯費用は含みません)。事故の種類で見ると、次のとおりです。

車両保険の保険金の1件あたり平均。盗難299万円(件数の0.2%)、台風・洪水など84万円(0.3%)、衝突・接触・転覆など42万円(73.1%)、その他38万円(26.4%)
出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」2025年度版(2024年度の任意自動車保険・車両)の数字から算出

 件数の大半は衝突や接触などで、平均は約42万円です。盗難は件数が少ない(0.2%)ものの、1件あたりが高額です。なお、支払件数を契約台数で割ると、車両保険付きの契約100件あたり、1年に5〜6件程度の計算になります(概算で、新車から古い車までの全体の平均です)。自分の車では、これより低くなることも高くなることもあります。

具体例で比較|続ける場合と外す場合

 仮の例で考えます。車両保険の保険金額が60万円で年5万円ずつ下がり、車両保険の保険料が年4万円とします(どちらも仮の数字で、実際の下がり方や保険料は車種や契約条件で変わります)。

経過年数 外した場合の節約額(累計) 残っている保険金額
3年 12万円 45万円
5年 20万円 35万円
7年 28万円 25万円
10年 40万円 10万円

 約6.7年で、節約額の累計と保険金額が逆転します。

車両保険の損益分岐点のイメージ。受取上限は60万円から年5万円ずつ下がり、累計保険料は年4万円ずつ増えて、約6.7年で交わる
仮の例:保険金額60万円が年5万円ずつ下がり、保険料が年4万円の場合。実際の下がり方・保険料は車種や契約条件で変わります

 この仮の例で、5年後に事故が起きた場合を比べます(免責金額は仮に5万円とします)。

事故の例 継続した場合 外した場合
修理費3万円 自費で直す(保険を使うと割高になることが多い。後述) 自費で直す
修理費20万円 15万円が支払われ、自己負担は5万円 20万円が自己負担
全損 最大35万円(協定した保険金額まで) 0円。買い替え費用は全額自己負担

 外した場合は、5年間で20万円の保険料が浮いています。ただし、保険は事故に遭わなければ掛け捨てなので、節約額と事故時の損害を単純に比べて、どちらが得とは言えません。大事なのは、いざというときに自分で持てる額かどうかです。

車両保険を外すのが不安な人の選択肢

免責金額を見直す

 免責金額(自己負担額)を高くすると、保険料は下がります(損保ジャパンの解説)。たとえば5万円〜10万円にして、小さな修理は自費で払う前提にする方法です。自己負担が増えるので、家計に無理のない範囲にします。

 なお、「0‑10万円」のように書かれた設定は、幅ではなく、1回目の事故は0円、2回目以降は10万円という意味の会社があります。見積りの表記は、契約前に確認してください。

補償範囲を限定したタイプを検討する

 補償範囲を絞った「車対車+A(エコノミー型)」は、一般条件より保険料を抑えられます。ただし、補償範囲は保険会社・商品で異なります。契約前に、重要事項説明書や約款で確認してください。

事故の例 一般条件 車対車+A(原則)
相手の車が確認できる衝突 補償される 補償される
火災、台風・洪水、盗難 補償される 補償される
自損事故(単独事故) 補償される 対象外
相手が分からない当て逃げ 補償される 原則対象外

複数の契約パターンで見積りを比較する

 次の組み合わせを同じ条件で見積もると、何にいくらかかっているかが見えてきます。

  • 車両保険なし
  • 車両保険あり(一般条件)、免責金額を変えたもの
  • 車対車+A

 外す、見直す、続けるの3つを、同じ画面で比べるのが近道です。

車両保険を使うと損する?等級と保険料の考え方

 保険を使ったときの翌年の等級や保険料への影響は、事故の種類で変わります。

事故の種類 等級 事故有係数の適用期間
3等級ダウン事故(車同士の衝突、電柱への衝突、当て逃げなど) 3等級下がる 3年
1等級ダウン事故(盗難、飛び石、台風、いたずらなど) 1等級下がる 1年

 ノーカウント事故(人身傷害保険金の支払いなど)なら等級は下がりません。事故有係数の適用期間は、事故の種類や事故歴で変わります。

 では、3等級ダウン事故で保険料はどれくらい上がるのでしょうか。13等級の人を例に、参考純率ベースの割増引率で概算すると、事故なしの場合と比べて、保険料は3年間、約1.7倍になります。4年目には約1.1倍まで戻ります。

3等級ダウン事故で保険料はどれくらい上がるかの概算。事故なしを100とすると、事故の翌年169、2年目170、3年目170、4年目109
13等級の人が3等級ダウン事故を起こした場合の概算(事故なし=100)。SBI損保の公式コラムに載る参考純率ベースの割増引率(13等級は無事故−51%・事故有−24%など)から算出。各社が実際に使う率とは異なります

 損保ジャパンの例では、電柱にバンパーを擦って修理代が3万円のとき、保険料の増加が3年間で10万円と見込まれるなら、自費で直したほうが安く済みます(例示の数字で、実際の増加額は契約条件で変わります)。修理代と、今後の保険料の増加分を比べて、保険を使うかどうかを決めます。車両保険は小さな傷用ではなく、大きな損害用と割り切ると考えやすくなります。

 なお、等級が下がるのは車両保険を使ったときだけではありません。相手への賠償で保険を使った場合も、事故の種類によって等級が下がります。

株主優待で自動車保険は安くなる?

 2026年10月10日時点で、今回確認した各社の公式IR・優待情報では、自動車保険の保険料を割り引く優待は確認できませんでした。 近いものは次のとおりです。

  • 東京海上HD(8766): 2026年8月に優待を新設。100株以上を3年以上持つと7,500円相当、翌年以降は毎年2,500円相当の電子マネー等です。保険料割引ではなく、保険契約の有無も条件に書かれていません。詳細は今後案内される予定です。
  • トピー工業(7231): 100株以上で交通傷害保険が付きます(死亡・後遺障害は最高100万円、入院日額3,000円)。株主本人のけが用で、車の補償ではありません。1,000株以上にはQUOカード3,000円分もあります。
  • SBIインシュアランスグループ(7326): 優待は暗号資産XRPの贈呈です。
  • SOMPOHD(8630): 公式FAQで、優待制度は実施していないと案内しています。
  • MS&AD(8725): 優待は確認できませんでした。

 優待は新設・変更・廃止されることがあるので、最新の公式発表を確認してください。保険料を下げたいなら、複数社の見積り比較、ネット割引、勤務先の団体割引のほうが確実です。

まとめ|車両保険を外す前に確認したい3つのこと

 どの選択が正解かは人によって違いますが、必要な数字を確認すれば判断しやすくなります。外す前に、次の6つを確かめてください。

1. 保険金額と差額

  • □ 現在の車両保険金額と、免責金額(自己負担)を確認した
  • □ 車両保険の年間保険料(あり・なしの差額)を確認した

2. 貯金とローン

  • □ 全損したとき、貯金で買い替えられるか考えた
  • □ ローンの残りと、家計への影響を確認した

3. 見直しと戻せるか

  • □ 免責金額や補償範囲を変えた見積りも取った
  • □ 外すと後から付け直せない場合があることを確認した(保険会社による)

更新履歴

  • 2026年10月10日:初版公開