実家の空き家どうする?相続後の4つの選択肢とリスク
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「実家をどうするか」を決められないのは、あなただけではない
親が亡くなり、実家を相続した。けれど自分はすでに別の場所で生活している。住む予定はない。かといって、貸すにも売るにも何から手をつけていいか分からない――。
そう感じているとしたら、それは珍しいことではない。総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は900万戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高を更新した。5年前の調査(849万戸)からさらに51万戸増えている。多くは、相続をきっかけに「誰も使わない家」になったものだ。
まずは焦らず、何を決めなければいけないのかを整理するところから始めたい。
知っておきたいこと:相続登記は義務化されている
2024年4月から、相続登記が義務化されている。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り過料の対象になり得る制度だ。
「そのうち」と後回しにしているうちに、この期限を意識しないまま時間が過ぎてしまうケースは多い。「住む・貸す・売る」のどれを選ぶにしても、まず相続登記が前提になる点は押さえておきたい。
選択肢を整理する:住む・貸す・売る・そのまま
実家の扱い方は、大きく4つに分けられる。
| 選択肢 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 住む | 新たな住居費がかからない、実家を残せる | 生活拠点を移す必要がある。立地・老朽化次第で住み替え費用がかさむことも |
| 貸す | 家賃収入が入る可能性がある | 修繕・耐震・設備更新の費用負担。空室リスク。管理の手間 |
| 売る | まとまった資金化ができる。維持コストがなくなる | 相続登記や名義整理、片付け・解体が必要になることがある |
| そのまま(放置) | 今すぐ何も決めなくていい | 固定資産税・老朽化・近隣トラブルのリスクが時間とともに増える |
「今すぐ結論を出さなければいけない」わけではないが、「そのまま」を選び続けることには、後述するように制度上のコストが伴う。
「そのまま」を選び続けるとどうなるか
空家等対策特別措置法は2023年12月に改正され、放置に対する規制が強化された。
以前は「特定空家」に指定されて初めて税負担が増える仕組みだったが、改正後はその一歩手前の段階でもリスクが生じるようになった。「判断を先延ばしにするコスト」が、以前よりはっきりした形になったと言える。
「売る」と決めたら、最初にすること
住むあてもなく、貸すための費用や手間もかけられないなら、「売る」は現実的な選択肢の一つになる。実際に動くとしたら、順番はおおよそ次のようになる。
- 相続登記を済ませる(または並行して進める): 売却には名義を相続人に移す手続きが前提になる。
- 家の中を整理する: 遺品整理・残置物の処分が必要になることが多い。
- 不動産の価値を把握する: 自分で判断せず、複数の不動産会社から査定を取り、相場観を持つ。
- 査定結果を比較し、依頼先を決める: 会社によって得意な物件タイプ(戸建て・古家・再建築不可など)が異なるため、1社だけで判断しないほうがよい。
まとめ
実家の空き家をどうするかは、正解が決まっている問題ではない。ただし、相続登記の義務化や、2023年の法改正による放置コストの増加を踏まえると、「何も決めずに時間だけが過ぎる」状態は、以前より不利になりやすい。
住む・貸す・売る・そのまま――どれを選ぶにしても、まずは自分の実家が今どのくらいの価値になるのかを知ることが、判断の出発点になる。


